「DJ-5」が目指した
“やさしさ”って何?
12月10日に発売される「DJ-5」はさらに“やさしさ”が進化したスピンウェッジだ。
ただ、ゴルフクラブの評価としてよく使われる言葉、“やさしさ”って
わかったような、わからないようなどこか曖昧さがありませんか・・・。
この「DJ-5」を通して“やさしさ”の真意を感じ取っていただければ嬉しいです。
ゴルファーにとっての
“やさしさ”とはシンプルに
ショットの成功確率が
アップできること
ゴルフクラブがこれまで目覚ましい進化を遂げてきたように、性能を表現する言葉も進化してきました。“やさしさ”という言葉はもちろん昔から存在しますが、そのニュアンスは変化を遂げているように思います。それを象徴するのはドライバーの進化です。この20年余りの期間で、ヘッド体積が460㎤まで大型化し、それとともに“慣性モーメント”という物理的な言葉が当たり前に使われるようになりました。ここで言う“慣性モーメント”は、その多くがヘッドブレに対する強さを例えるミスへの寛容性として表現されています。
“慣性モーメント”という物理的用語がゴルフクラブ用語として一般化したことで、やさしさという言葉の全てが、ミスに対する強さを表現するかのようになりましたが・・・。確かにゴルフというスポーツは、プロゴルファーでさえ“ミスのスポーツ”と例えるほど、成功に対してシビアであるものの、そもそもミスを前提にしてコトを論じることってナンセンスだと思いませんか。全てのゴルファーが次ショットを打つとき、必ずポジティブにナイスショットを狙っていくもの、ミスを前提にするのは面白くない。
本来、ゴルフクラブが持つ“やさしさ”とは、打ちたいショットが容易に具現化できるクラブのことを指すべきだと考えます。だからこそ、フォーティーンのプロダクトは“一人のゴルファー”をターゲット像として性能を特化、そのプレースタイルやショットパフォーマンスなど同じ境遇を持つゴルファーが、打ちたいショットが打てる“やさしさ”としてご提供することが、フォーティーンのクラブ開発のブレないテーマなのです。
さて、新作「DJ-5」はシンプルにやさしいウェッジです。このシリーズの原型となったのは、「MT-28 J.SPEC」(2006年発売)であり、じつは創業者の竹林隆光の肝入りウェッジでもありました。というのも、当時の単品売りウェッジ市場はプロモデルオンリーで、いわゆるやさしいウェッジはアイアンセット付属モデルしかなかった。フォーティーンはその常識を覆すべく「MT-28J.SPEC」の開発に注力しました。そして何より、竹林は自分自身をターゲットプレーヤーに見ていた・・・。自身は日本オープンローアマを獲得するほどのプレーヤーでしたが、アプローチスタイルはシンプル。スピンの効いたピッチエンドランでシンプルに寄せるスタイルや技術に対して、無駄なく“やさしさ”を表現するオートマチックウェッジを欲していたのです。
「DJ-5」はさらなるソールの進化により、誰もがシンプルにボールを拾える・運べるショットフィーリングをものにでき、シンプルにスピンの効いたアプローチでボールコントロールができるウェッジです。ボールを打ち出したい方向、やわらかい放物線を描く弾道イメージ、ボールを落としたいエリアへの距離感のみをシンプルに意識して、打てばいいだけ。様々なライで発生するシビアなボールコンタクトは全て「DJ-5」の機能がカバーし、成功確率を高める“やさしさ”を発揮します。“道具にできることは道具に任せたい”、難しいテクニックに神経を使わず、状況判断や距離感のイメージなどシンプルにやるべきことだけに専念できる竹林が欲した“やさしさ”。つまり、アプローチをシンプルにこなしたいゴルファーにこそ、「DJ-5」をお使いいただきたい!というのがこのコラムで言いたかった前向きな“やさしさ”の結論です。