改めて知ってほしい
オリジナルシャフトの
存在意義。
今回、日本シャフトのエンジニアに特別取材をお願いした理由は、ただ一つ。フォーティーンのプロダクトに必須採用されているオリジナルシャフトには確固たる存在意義があるからだ。昨今は多くのメーカー、その先にあるプロダクトがアフターマーケットシャフトをカタログスペックとして採用し、オリジナルシャフトの必要性が薄くなっている風潮ある昨今、フォーティーンはあくまでヘッド×シャフトのトータルでパフォーマンスを追求することに妥協を許さないことを知っていただきたいのだ。
取材・文=ゴルフメディア編集部
STEEL編
基礎知識:主にウェッジ、アイアンに採用されるスチールシャフトは、日本シャフト「N.S.PRO 950 neo」・「MODUS3」シリーズを筆頭に、トゥルーテンパー「ダイナミックゴールド」やKBS「KBS TOUR」などが定番シャフトとして採用されることが多い。
ハイロフト、ローロフトで
ベストなフィーリングを追求する
フォーティーンと日本シャフト、初の共同開発となったモデルはウェッジ専用シャフト「TS-114w」だ。このモデルは2018年に発売された「FHフォージドV1」に搭載。ターゲットプレーヤーとなるアスリートや熟練者に対して、ヘッド性能にマッチングさせた専用シャフトを提案したオリジナルスチールの第一弾、現在は「RM-4」に採用されている。こだわりは主にフルショットで活用する41〜50度のローロフト番手、主にコントロールショットで活用する52〜60度のハイロフト番手、それぞれのロフトエリアで専用設計を施したことだ。
日本シャフト
生産本部 駒ヶ根工場
開発課 主査
藤原甲介さん
藤原さん ウェッジモデルに対してベストな重量であり、かつ最もオーソドックスなシャフト挙動である「MODUS3 SYSTEM3 TOUR125」をベースにし、あらゆるアレンジを加えた約10種類の試作品を用意、その中からフォーティーンさんが追求されるベストを洗練させていく過程がありました。ハイロフト、ローロフト、それぞれのショット用途に応じた専用設計ですが、私たちが驚いたのは素材を変化させる提案があったこと。例えば同じ重量、硬さ、トルクであっても素材が変わればフィーリング(振り味)は変わる。その素材特性を加味し、プレーヤーの感覚でベストを追求する、フォーティーンさんらしいモノづくりの姿勢に感銘を受けました。
「DJ-5」に搭載されている「DS-91w」や「TB-5フォージド」の「FS-90i」は、主に優しさを機能化したプロダクトに装着されている90グラム台の専用設計スチールシャフト。弾道の高さを発揮できる「950 GH HT」に、しなやかにしなる「ZELOS」を融合したい、というフォーティーンのリクエストで実現された現プロダクトの要となる軽量専用スチールシャフトだ。
CARBON編
基礎知識:ドライバーにおけるカーボンシャフトは、独自の設計思想かつ独自のブランドでオリジナルシャフトを製造するメーカー、プロダクトは稀少になりつつある。人気シャフトブランドをネーミングに冠したコラボ的オリジナルシャフト、または人気ブランドシャフトをそのままカスタムとして採用することが昨今の定番となっている。
“長尺のフォーティーン”たる
独自の設計ノウハウに驚かされるばかり
フォーティーンのドライバーは、飛距離性能に対し物理的優位性を最大発揮できる長尺ドライバーにこだわってきた。最新の「GelongD DX-001」はこれまで20年超の月日で取り組んできた長尺ドライバーの集大成。約180グラムという超軽量ヘッドで最速スピード=最長飛距離を追求した。そのヘッドのポテンシャルを最大発揮するためには、ベストなインパクトに導く専用シャフトの存在、フォーティーンのノウハウが必須だった。
日本シャフト
生産本部 駒ヶ根工場
開発課 課長
井上明久さん
井上さん 長尺専用シャフトのノウハウは日本シャフトにも、もちろんあります。そして同じテーマであっても設計者が変わればその全てが変わることも想定しますが、フォーティーンの長尺シャフト設計は私たちの常識を逸脱するものであったといっても過言ではありません。専用シャフト「FT-50d」「FT-40d」は「DX-001」という軽量ヘッドに対して、いかなるプレーヤーであっても適度にしなって適度に戻る、この適度感を見事に機能化した専用設計であることが完成品からも伺えました。外観デザインはこれ以上ないほどシンプル、その理由は塗装面を限りなく薄く(軽く)し、とにかく性能追求された表れそのもの。平凡なオリジナルシャフトでない素晴らしいパフォーマンスを持っていることは明らかです。