潜入!
FOURTEENの聖域
フォーティーンヘッドオフィスの1Fに
スタッフ以外が立ち入れない聖域がある。
それは技術開発チームが拠点とするR&D Laboratory、
つまりフォーティーンの技術の全てがここにある。
今回はメルマガ読者のために特別に初潜入、
2022年末に導入されたミルドマシンを見ることができた。
プロトタイプの
実物化にスピードをもたらす
高精度ミルドマシン
ゴルフクラブの設計・開発の技術は日進月歩だ。フォーティーンヘッドオフィス1FのR &D Laboratory(略・ラボ)では、技術者がターゲットプレーヤーを想定した様々な発想を描き、それを形にすべく費やされる時間そのものが、今日のクラブ進化の礎となっている。ただその一つのプロダクトにおける過程では、一つひとつの工程に時間を費やしてしまうことが常だ。
「例えば『TB-5 FORGED』の場合、過去のキャビティアイアンを創意工夫に研磨して崩していく作業から始まりました。その形を踏襲しながらCADデータで狙った機能を設計し、モックアップで形状を整えた上で、さらにCAD上で機能を洗練させた上で生産工場にプロトタイプの制作を依頼。製造と運輸時間の時間がプラスされ、さらにブラッシュアップに同過程が費やされる・・・と、多くのタイムロスがいつも開発陣にとってネックでした」(企画部・池田純)。いくら優れた構想があっても、いくら優れたCAD設計データがあっても、生産工場で実物化させるプロトタイプの完成に時間を費やしてしまう時間を無駄にしたくない想いがあった。
それをクリアにしたのが2022年末に導入された最新鋭の高精度ミルドマシンである。このマシンをわかりやすく説明すると、フルミルド(削り出し)パターという高価なプロダクトを例にできる。高価な理由は1個のインゴット(鉄塊)から完成に至るまで全ての工程を削り出しで製造していけることだ。最大の利点は“好きなデザインに加工できること”、そして“高度なレベルで形状を再現できること”、“重量の微調整・精度を確実にできること”、“鉄素材を自由に選べること”など、単一素材ヘッドにおいて完全オーダーメイドの理想系を実物化できるのである。
「これまで多くの時間を費やしていたプロトタイプの製造が、ミルドマシンを導入することで、ネックだったタイムロスを解消できました。開発中の様々なプロダクトにおいて、プロトタイプをスピーディーに実物化できるメリットは、テストクラブをいち早く製造できることで問題点を改善できたり、あるいはこれまでにない新形状にどんな機能が発揮されるかなど、積極的に検証できることです」と開発において、大きなアドバンテージにできるようだ。さらに展望も語る。
「形状やソールなど完全にトップ選手に対応しているクラブにおいても、このミルドマシンがあれば完全再現が可能です。さらにプレーヤーが要求するフォルムなど一つひとつにオリジナル品を提供することも可能になります」。私たち一般ゴルファーにこの完全オーダーメイド品がサービスとして提供されるかは未定だが、今後GOLF CRAFT FOURTEENなどの特別受注品などで展開されるかもしれない。フォーティーンの新たな展開に期待だ。