2025/02/14

フォーティーンの
クラブ哲学
アイアン編
『軟鉄鍛造アイアン』

昨今、優れたアイアン=軟鉄鍛造という価値が、全てのゴルファーの指標であることは間違いない。そんなトレンドに向けたモデルが各メーカーから多くラインナップされるのは当然だが、フォーティーンの軟鉄鍛造アイアンの考え方はそれらとは異なる。

軟鉄鍛造アイアンで
なければならない価値観とは・・・

 フォーティーンにとって軟鉄鍛造は人気の指標でなく、あらゆる製法の選択肢に過ぎない。ターゲットプレーヤーに対してベストな性能を追求する手段の一つに過ぎないのである。軟鉄鍛造の採用メリットは良質な打感に尽きる。単一素材の軟鉄ヘッドから伝わるピュアな打感は、その感覚で技術を磨いてきたベテランゴルファーにとって大切な機能の一つである。
 例えば人気モデル「TB-5 FORGED」のターゲットプレーヤーは誰か?

 「『TB-5 FORGED』のターゲットプレーヤーは私。若い頃、プロを目指して頑張っていましたが、歳をとり仕事でそれなりのポストになってゴルフに打ち込む時間は著しく減少した。衰える体力や技術をカバーできる道具のやさしさ、そしてかつて培ってきた道具への感性を両立させてほしい、という私のわがままをフォーティーンが形にしてくれました」と語るのは営業部の中嶋元(2001年入社)である。
2020年発売の「TB-5」は、中嶋と同じ境遇のベテランゴルファーの共感を得て、創業以来のベストヒットモデルになる。

 「TB-5」は4年もの間、支持を受け続けたロングセラーモデル。後継モデルを企画する上でフォーティーンらしい決断が為される。
 「おかげさまで多くのゴルファーにご支持いただいた『TB-5』は、ある意味ターゲットプレーヤーに向けて完成された性能を誇っている、という答えは明確でした。新製品を企画する際に弾道を強くしたり、あるいはさらに高くしたりすると、求められる性能を不必要に阻害してしまうことになる。だから性能はあえて変えない決断をしました」と企画部の池田純は語る。

 2024年11月に発売された「NEW TB-5 FORGED」(左、右は2020年発売モデル)が歩んだ進化は、ずばり感性の“洗練”だ。形状であったり、あるいはさらなる打感の向上であったり、やさしさの軟鉄鍛造アイアンとしてさらなる完成度を極める。
 「『TB-5』というアイアンは、やさしさの構造の代名詞がキャビティ構造であるという常識を覆したモデルでもあります。独自のバックフェース形状”シアターブレード”は狙った重心性能の実現とともに曲線美で鉄の強さや美しさを表現できる強みがあります」(池田)

 「TB-5」に限らず、「TB-7」、そして今まさに開発している「TB-3」と、フォーティーンのプロダクトには必ず明確なターゲットゴルファーが存在する。ベテランゴルファーが主に要求する“打感の良さ”に対して、ベストな製法である軟鉄鍛造を駆使し、確実にアマチュアゴルファーのプレーシーンに貢献できるアイアン技術の追求は、これまでもこれからも変わることはない。