2019/12/14

-Progress-“とある”プロダクトの発想から製品化までのプロセスを追いかける 1

創造物語

フォーティーンには、ターゲットとなる確固たるプレーヤーを定め、パフォーマンスの不安材料をギアで克服させる、という企業理念がある。

次回プロダクトに課せられたテーマは何か、 発想から製品化までの過程を追いかけていく。

文 :某ゴルフメディア編集長

Idea〈発想の源〉 ダフリによる ウェッジイップスを 克服できないものか。

ゴルフは『メンタルのスポーツ』と言われるとおり、プレーヤーの気持ちがパフォーマンスに反映される場合が大いにある。だから苦手意識という思考そのものがナイスショットの天敵でしかない。しかし、いくらゴルフ経験に長けた熟練者であっても、多くのラウンドで培ってしまった失敗経験値によって、苦手意識を持ってしまうのはしょうがないことだ。その多くが手先でも自由がきくウェッジやパッティングなど小さな動作が不自由になってしまいがちである。不自由になったそれらはタチが悪い。失敗を恐れ、手が思うように動かなってしまうイップスまでなりかねない。笑えない現実まである。

ウェッジメーカーとして信頼されるフォーティーンでは、ウェッジショットのダフリによるイップス気味な苦手意識克服を効果的に促すことができるプロダクトを常に思い描いていた。傾向としてダフリを過度に恐れるプレーヤーは、意図的になくミスを避ける構え方をしてしまう。それはボールを過度に右足よりに構えること(右スイングの場合)。ボールへのコンタクトより先にヘッドが芝に触れることを嫌い(ダフリをイメージ)、急激な入射角度でボールを上から叩きつけていきたい意思がそうさせているのである。

(ダフリに過度な恐怖心を抱くプレーヤーは、ヘッドを急な入射角度でボールにぶつけたがるため、過度に右足よりにセットしたがる傾向がある。)
(ダフリに過度な恐怖心を抱くプレーヤーは、ヘッドを急な入射角度でボールにぶつけたがるため、過度に右足よりにセットしたがる傾向がある。)
@フォーティーン

 

ただウェッジというクラブはソールを効果的に使うことこそがパフォーマンスのキモであり、右足よりに構えてしまうのは有利とは言えない。ソールが使えない、つまりはリーディングエッジが地面に刺さりやすい状態では、よりダフリを助長しかねない悪循環をもたらしてしまうからだ。が、それが頭ではわかってはいても、芝にヘッドが触る怖さが上回ってしまうことは、仕方がないことだ。

そういったプレーヤー心理を尊重したスーパープロダクトが今、開発中のコンセプトウェッジ。いわゆるウェッジ像の常識から逸脱した超バウンスソール、超グース形状で設計されたプロトタイプ第1号が完成となったので今回のご紹介となった。もちろんまだこれから、さらなる改良が施されていくのだが、プロトタイプ第1号の打ち味はこれまでのウェッジにはないものになった。ウェッジに強烈な苦手意識を持つプレーヤーに最高のやさしさをお約束できるだろう。