-Progress-“とある”プロダクトの発想から製品化までのプロセスを追いかける 3
フォーティーンには、ターゲットとなる確固たるプレーヤーを定め、パフォーマンスの不安材料をギアで克服させる、という企業理念がある。
次回プロダクトに課せられたテーマは何か、 発想から製品化までの過程を追いかけていく。
文 :某ゴルフメディア編集長
Brush Up <ヒューマンテスト>
さて第3回だが、CAD回で性能値と形状のマッチングを施し、完成したプロトタイプ2号のヒューマンテストだ。ターゲットプレーヤーはもちろん、多くのゴルファーのインプレッションを基にさらに機能をブラッシュアップしていくのである。今回は私もヒューマンテストの一員として加えてもらう機会を得たのでレポートしたい。
この“とある”プロダクトは、いわゆるウェッジショットにおいてダフリによるミスを軽減するために生み出された。どのウェッジにもソール部がそれを担う役目を持っているのだが、それを究極に高めることをコンセプトとした。動画をご覧いただきたい。
ダフリを恐れ、右足寄りにセットした一般的ウェッジの場合、ウェッジショットでダフリを嫌がる意識が強いゴルファーは、直接(早く)フェースにボールをコンタクトさせたいため、極端に右足寄りにボールを置きたがる。
上からボールを潰すように打てるが、リーディングエッジが地面に対して鋭角になり、ミスへの許容性が激減。少しのダフリがいわゆる“ザックリ”“チャックリ”を促してしまうデメリットが強くなるのを忘れてはいけない。
ウェッジの機能であるソールを使えない状態にあるということだ。
そもそもウェッジはソールの機能を効果的に使うためには、ボールは両足センター、もしくは左足寄りにセットして、ソールが芝面を滑る状態にするのが最適だ。プロや上級者はフェースをうまく開き、ソール面のパフォーマンスをさらに発揮できる工夫もしている。が、ウェッジショットが苦手なゴルファーは、そんな技は現実的ではない。右足寄りにセットした状態でうまく打てるウェッジ、ゴルファーの苦手意識という心理のど真ん中を突いたのが、プログレスで追いかけている“とある”プロダクトこと、ダフリにめっぽう強いウェッジなのである。
右足よりにセットした“とある”プロダクトの場合 “とある”プロダクトを上記と同じように右足寄りにセットして打ってみたら、違いは顕著に出た。
インパクトの約5センチも手前から入ったヘッド(ソール)が、芝面を滑り進むことで、ボールがうまく打ち出されている。ヘッドの中で一番早くソール面が芝面にコンタクトしている何よりの証拠であり、ウェッジショットには欠かせない“ソールをうまく使う”という要素である。