ギアご意見番
マーク金井さんが、15年ぶりに来社!
最新アイアン「PC-3」にフォーティーンが目指す原点“やさしさ”を見た
〈前編〉
ゴルフメディアではお馴染み、ギアご意見番のマーク金井さんが
フォーティーン本社に15年ぶりに来社された。
マークさんのルーツは何を隠そう某ゴルフ雑誌の編集者。
かつては取材・執筆に明け暮れ、今に至るゴルフ見識の根本を築いた
その多くの機会で取材対象者であったのが弊社創始者・竹林隆光である。
そんな旧知の縁もあって久々に来社されたマークさんに、
4月に発売する最新アイアンを試していただくことになった。
ギアご意見番
マーク金井さんが、15年ぶりに来社!
フォーティーンは難しい!
その印象は100%、
間違っています!
まずはマーク金井さんに率直にフォーティーンのプロダクト全体の印象を聞いてみた。
「フォーティーンのクラブは流行に流されることなく、いつも真摯に機能追求していることが印象です。見た目はシンプルですが、その機能性や必要性などクラブ(設計・開発意図)の主張をプレーヤーが感じて選ぶことができます。昨今、トレンドをリードする外国メーカーなどは機能追求をいかに複雑構造化(ギミック化)させて先進性を強く表現することが開発のテーマとなっていますが、それらとは一線を画すものづくりのポリシーを創業から変わらず持っていることが魅力です。それと・・・・」。
市場が評するフォーティーンというメーカーの存在。マークさんが語ってくれた“真摯な機能追求”は、多くのゴルファーにとって“上級者向け”という誤解をされていることがある。このウェブマガジンをご覧になっているファンの皆様はご承知の通り、フォーティーンはプロダクトによってターゲットをしっかり定めている。そしてそのものづくりの根幹は、あくまでアマチュアゴルファー目線であること。私たちの想いをマークさんは強調して代弁してくれた。
「フォーティーンは難しい、と誤解されがち。それは今から約20年前に一斉を風靡した『MT-28』で日本男子ツアー使用率1位を獲得したことがきっかけとなり、そのイメージが強く定着してきたというのもよくわかります。でも竹林さんは僕が知る限り、どのメーカーよりもアマチュア目線のクラブをカタチにしていたエンジニア。プロ仕様のトップダウンなクラブが当たり前の時代から、誰よりも“やさしい”クラブをカタチにしていた第一人者なんです」。
フォーティーンのアイアンの
ソールが変わった!?
スコアが出せるやさしさの「PC-3」
フォーティーンのクラブづくりを熟知するマーク金井さんに今年、40周年で発売するアイアン「PC-3」を手にとっていただいた。
「まず、第一印象はラージヘッドであり、やさしさを強調するアイアンだなということが伺えます。いつも通り、シンプルかつ美しいデザインからは“フォーティーンらしさ”を感じますが、その“らしさ”とはギャップを感じるのがソールの仕上げですね」。
マークさんが指摘するのは、「PC-3」の三日月リッジソール。リーディングエッジ側を三日月形状に“受け”を設けることで、いわゆるバウンス効果を発揮させて、芝上のインパクトを寛容化(ダフリに強い)させるのだ。
「私はアイアンの機能を見る上で、まず何よりソール形状、いわゆるバウンス角があるかどうかを判断基準としています。バウンス角が設けられていないアイアンはインパクトがシビアな傾向にあるのに対して、バウンス角があれば芝上で地面に刺さりづらくヘッドを推進させてくれる。ちなみに私は後者でないとエースアイアンとして選びません。やはり、様々なライが存在するゴルフ場で、いい意味でのインパクトのアバウトさを実現させてくれるソールの寛容性を私は優先したいからです」。
マークさんが強調するソールの寛容性。つまり一般アマチュアゴルファーが必要とする、いかに実戦でスコアメイクをサポートできるやさしさのアイアンを機能化する上で、ソールの変化はフォーティーンのアイアンにとって必要な進化であった。フォーティーンでは「MT-28」から約20年の間、それぞれのターゲットに対して展開されたモデルで研究開発を繰り返してきたソール形状の技術がある。「PC-3」で実現したソールの進化はウェッジで培ってきたノウハウが生かされたのである。
「番手別の重心設計など細やかな開発はさすが。やさしさ=飛距離、という市場が作り上げたアイアンの飛ばしあいには参加しないロフト設定しかり、アイアンというクラブの役目を重じて機能化されているのも好印象。さすがゴルフというスコアメイクのスポーツである本質を理解したフォーティーンが目指す“やさしいアイアン”だと感じました」。