2022/07/14

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カスタムにおいても
ヘッド性能をフルに
発揮させるために。

アフターマーケットシャフトのラインナップが多様化する中、フォーティーンでも年々、カスタムクラブの受注が増えています。製造部では販売店様からご注文いただく特注品に対して忠実かつ、ヘッド性能を損なわせない、パーツの重量管理&組み立て精度を徹底しています。

当たり前だが・・・
ヘッドで重量調整は
行いたくない

 フォーティーンでは最新モデル「TB-7 FORGED」をはじめ、アイアン&ウェッジにおいてカスタムクラブの注文が昨今増え続けている。もちろん全てのプロダクトでオリジナルシャフトを推奨しているが、アフターマーケットシャフトを使用するゴルファーによる多様化するニーズは、フォーティーンとしても100%応える体制は整っている。

 「例えば『TB-7 FORGED』に標準採用されるMODUS3 TOUR 105は、標準スペックで設定されているため、様々な要望にも対応しやすい。またMODUS3シリーズをはじめ、これまで組み立ての実績が多いシャフトは組み立て後の想定がしやすく要望に応じやすいです。難しいのはシャフトスペックが未知数のモデルや、シャフトスペックが不安定なモデルなど・・・組み立て後の想定値が定められないケースも多々あります」(カスタム担当・横塚)。

シャフトのスペック設定(性格)はモデル毎で当然異なるため、特注品として要望あるバランス値に組むのは至難な場合も多々ある。

 バランスとは、クラブを天秤(バランス測定器)に置いた時の重心ポイントをいう。ヘッド側に重心が寄れば寄る(重たくなる)ほど、値となる英数字は大きくなる。例えば「TB-7 FORGED」の場合、MODUS3 TOUR 105ではD1.5が標準値だが、シャフトが異なれば当然、そのバランス値は異なってくる。フォーティーンではカスタムシャフトにおいてもメーカー推奨値を導き出すが、特注品においてはその希望によって推奨値とは離れた値になることもある。

特注品は必ずゴルファーの要望が添えられた注意書きがあり、多くのケースでバランス調整が発生し、シビアな作業が行われている。

 「バランス値はあくまで静的な数値であり、フォーティーンでは元来あまりその数値に固執して欲しくはないと考えております。ただゴルファー毎のニーズには全力で応えなければならない。あくまで特注品を組み立てる時の守り事としているのは、ヘッド機能を損なわせないこと。ヘッドに重量調整となる鉛を加えてしまえば、その性能自体を変化させてしまう恐れがあるからです」。

ヘッド出しの際には、品質管理課が0.1グラムの単位で管理する公差内のヘッド重量から、最適なヘッドを選び出せることが、フォーティーンの組み立てクオリティを保つ核となっている。

 前のコラムでお伝えしたが、フォーティーンには業界屈指の厳しい品質管理課による検品作業がある。そこで導き出されるのは欠陥品の選定とともに合格品の確実なヘッド重量の棲み分け。ヘッドには重量公差があり、その小さな重量を精度良く管理して製造部へ。横塚さん率いるカスタム組み立て部隊では、そのヘッド重量公差を利用して数あるシャフト特性に都度マッチングさせて、指定(理想)のバランス値に組み立てる”精度の連携”が成り立っているのである。
 
 「一つひとつが大切なオーダーであり、ゴルファーがフルに性能発揮できるよう理想の完成品を私たちは追求したいからこそ、流れ作業にはできない。1セット1セットを一人の担当者が組み立てるクラフトマンシップの“当たり前”の世界がフォーティーンにはあります。設計開発のノウハウに優れているフォーティーンだからこそ、プロダクトの性能を損なわない組み立て精度に妥協してはならないのです」。

私が竹林隆光から
教わったこと
“構えやすい感覚”

製造部 開発課
カスタム担当
横塚光浩

 私は地元が群馬県太田市。大学の頃にはじめたゴルフが楽しく、ぜひ地元でゴルフ関係の仕事に就きたいと思っていました。地元の練習場でアルバイト、そこで知り合った先輩の誘いで量販店に就職、そこで組み立て技術を学びました。
 その後、縁あってフォーティーンに転職しましたが、組み立て技術や精度は、私がそれまでに学んだことと別物だった。接着の仕方やテープの巻き方など全ての工程において、フォーティーンクオリティとはこうだ!と言われんばかりに違いを見せつけられました。
 竹林さんから学んだことは常にプレーヤー感覚でいなければならないということ。“構えやすいクラブ”は何なのか? シャフトの挿し方一つで変化する“構えやすさ”は、数字だけでは成り立たないゴルファーとして、そしてクラフトマンとしての感性が問われているのは間違いありません。フォーティーンに入社して早15年、何一つ同じフォーマットがないカスタムクラブの組み立てでは、今もなおその一つひとつで経験値を重ねている毎日を送っています。