2023/09/14

第1章
ウェッジショットは
そもそもボール手前の芝を
滑らせてインパクトするもの、
だからソールが命なんだ。

解説
池田純/フォーティーン企画部

今から約20数年前、フォーティーンの「MT-28」が切り開いた
単品ウェッジ市場はこの長い期間で他メーカーも参入し、
いまや多種多様のバリエーションがラインナップされる時代。
ここで注目したいのはソールパフォーマンスだ。
「RM-α」、「RM-W」、そして「DJ-6」とモデルが異なれば、
ソールパフォーマンスも当然変わる、なぜそれが必要なのか・・・。

ボール手前からヘッドを入れて、
しっかりボールをコンタクトできる
ソールは人それぞれ異なる

 まずはサンドウェッジがボールにコンタクトする動画をご覧いただきたい。プレーヤーは企画部の池田純、日本アマチュアゴルフ選手権に出場経験のあるプラスハンデの腕前、使用クラブは「RM-W(58度・Mソール)」だ。

ピッチショット
セットアップ/ボールは身体の真ん中、ややフェースを開く

ピッチエンドラン
セットアップ/ボールを右足よりにセット、フェースはスクエア(リーディングエッジが刺さりやすい状態でもあり、基本的にはあまり活用しない)

ソフトロブショット
セットアップ/ボールを左足よりにしてフェースを開く

バンカーショット
セットアップ/オープンスタンス、フェースはやや開きボールは正面から左足踵位置

ピッチショット

ピッチエンドラン

ソフトロブショット

バンカーショット

それぞれのロケーションのウェッジショットにおいて、共通しているのはヘッドをボールの手前の芝・砂から緩やかにアタックさせていることだ。
 「ウェッジショットにおいては、基本的にヘッドをボールへクリーンにアタックすることは、ほぼありません。クリーンに打つということは、リーディングエッジをボールに当てていくことを意味し、それではトップボールになってしまうミスと紙一重、ウェッジプレーにおいてトップボールは救いようがない1打になります。トップボールを絶対にさせないためにも、保険的に手前からヘッドを入れていく必要があり、芝や砂上に着地したヘッドをうまくボールまで滑らせてくれるのがソールパフォーマンスなのです」。

赤ライン→NG
ヘッドをクリーンにボールへアタックさせようとすると、ウェッジの形状特性上、リーディングエッジがいち早くボールに当たり、トップボールという救いようのないミスが出てしまう。
青ライン→OK
手前の芝からソールを滑らせていくように、インパクトエリアをアバウトに大きくし、ウェッジを動かしていきたい。芝や砂上をうまく滑らせてくれるのがソールパフォーマンスの真価である。

プロや上級者がウェッジプレーにおいてフェースを開いて構えることがある。その意図には、“ボールを上げたい”という弾道コントロールの意図もあるが、最たる目的はソールパフォーマンスを高めることにある。
 「フェースを開けばバンス角を強調でき、よりソールを地面にクリーンに当てられる。つまり地面にヘッドが潜らない・ザックリしない状況を意図的に作り出せるのです。上級者はライの状況において適材適所でソールの当たり感をコントロールします。その繊細な技術に適したウェッジが『RM-W』のようなシビアなソールを持っているウェッジであり、そのシビアさに許容性を持たせ、あらゆるプレーヤーがソールコントロールを駆使できるのが『RM-α』です」。

スクエアに構えた状態

フェースを開いた状態

フェースを開けばソールパフォーマンスを強調できバウンス効果は大きくなる。地面との抵抗感が大きくなれば、ヘッドを推進させる効果は大きくなる。

 フェースを開いてソール効果をコントロールする、しかしフェースを開くことに抵抗があるプレーヤーのニーズも無視できない。
 「フェースをスクエアに構えてシンプルにウェッジショットをこなしたい、というニーズに応えるのが『DJ』シリーズで、いわゆる“やさしさ”を強調したソールが搭載されています。多少、ボールの手前からヘッドが入りすぎても、ダフリに強いソールが芝・砂にヘッドを潜らせず(ザックリさせず)、ボールにうまくヘッドを導いてくれる寛容性があります」。

最新モデル「DJ-6」はスクエアに構えた状態でも、十分にソールパフォーマンスが発揮できるように設計されたグランドキャニオンソールが搭載されている。

 ウェッジショットは常にボールの手前の芝・砂のライにどうソールを滑らせていくかが成功の鍵を握っている。ウェッジショットに苦手意識を持つ多くのアマチュアゴルファーは、クリーンにボールをアタックしていこうとする意識が強すぎる傾向にあるが、ダフり気味に手前の芝からヘッドを入れていくのが正しいという考え方を改めたい。芝や砂上でソールを滑らせる、ということはそれだけインパクトエリアがアバウトに考えられるということだ。
 ただ、それには自分のウェッジ技術に合ったソールを選ばなければならない。ちなみに最新モデル「DJ-6」のグランドキャニオンソールは、スクエアに構えた状態であっても、芝・砂上でヘッドを推進させてくれるバウンス効果が魅力である。

「目指したのは新たなバンス効果、ソールが反発しすぎずヘッドを推進させる力。」