挑戦 NEXT TB IRON

これまでに存在しなかった
軟鉄鍛造アイアンを生み出す。
開発部 黒澤孝康
いまやウェッジとともにフォーティーンを代表するプロダクトの象徴といえば“軟鉄鍛造アイアン”だと言えるだろう。
開発を担当するのは黒澤孝康、軟鉄単一素材のヘッド構造にこだわり、機能と感性の両立を追求するフォーティーンの鉄人である。
mission
やさしさの「TB-5」よりも
さらにやさしく、気持ちいい打感の
軟鉄鍛造アイアンの創造
フォーティーンのプロダクトは、大きく2つの使命を持って生まれている。1つはターゲットプレーヤーを定め、実現すべき明確な機能を追求するスタンスをマストとしていること。そしてもう1つは、“常識を疑う”こと。既定路線だけでなく新たな発想を尊重し、まだ世の中に存在しないカテゴリのプロダクトであっても具現化をいとわないメーカーだということ。それはこれまで“スピンウェッジ”や“長尺ドライバー”など、時代を作り上げてきたあらゆる名器たちが証明している。この瞬間、開発部・黒澤孝康が取り組んでいる3シリーズの軟鉄鍛造アイアンの開発が最終局面を迎えていた。フェザーラインで人気の「PC-3」並みのやさしさを誇る単一素材の軟鉄鍛造アイアンだ。

「軽重の様々な素材を組み合わせた複合構造の『PC-3』は、狙った重心特性や形状をアグレッシブに実現できる機能系アイアン。それに対してフォーティーンの軟鉄鍛造アイアンはあくまで単一素材であるため、機能系アイアンよりも遥かに設計自由度が少ないのは明らかです。では、私たちが『PC-3』以上のやさしさを軟鉄鍛造アイアンでなぜ目指すのか・・・。それはオンリーワンのプロダクトになりうる素晴らしい存在価値がありますし、主なターゲットプレーヤーとなる一般シニア層に対して、軟鉄鍛造ならではと言える打感のやわらかさや所有感などを、いつまでも愉しんでいただきたいという願いもありました」。

開発過程では、やさしさの軟鉄鍛造アイアンのベンチマークである「TB-5」以上の“やさしさ”を実現させるために、さらなるヘッドの大型化を必要とした。見た目の安心感や慣性モーメントのアップが、“やさしさ”としてリアルに貢献するからだ。しかしヘッドの大型化とともに振りやすさを実現する軽量化も必須とした。大型化と軽量化、二律背反する要素を、単一素材の軟鉄鍛造アイアンで兼ね備えることが黒澤にとって最大の課題だった。
「ヘッドの大型化と軽量化が実現できれば、軽量カーボンシャフトで番手毎の長さも伸ばすことができ、ヘッドスピードアップで高弾道に貢献できます。『TB-5』の上をいくやさしさを誇り、さらに極上の打感を兼ね備えた『TB-3 FORGED』は、ある意味、これまでにない最強の軟鉄鍛造アイアンかもしれません。」

「TB-3 FORGED」のプロトタイプアイアンを少しセットアップさせてもらったが、「TB-5」をやや大きく感じるフォルムにほどよいシャープ感で、セットアップに違和感は存在しない。“クラブは美しくなければならない”、その企業ポリシーは確実に感じることができる。
「フォーティーンは長く単一素材の軟鉄鍛造アイアンにこだわり機能を追求してきたメーカーです。先人の開発担当者たちが作り上げてきたモデルの機能美はその一つひとつが完成度を極めていました。それらをリスペクトし、独自形状『シアターブレード』を駆使できる今があるからこそ歩める、フォーティーンだけの進化があります。『TB-3 FORGED』はフォーティーンの軟鉄鍛造アイアンの長い変遷の中でも革新的なモデルであると、私は自信を持っています」。

フォーティーンの鉄の職人、黒澤自信の軟鉄鍛造アイアンは今秋発売予定だ。