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進化のイデア 第四章
進化のイデア
2019/07/14

進化のイデア 第四章

[[同じ考えを持った メーカーが出現]] 81年、晴れて竹林は独立、群馬にゴルフクラブ工房フォーティーン(当初は藤岡、その後現在の高崎へ)を設立する。主に設計委託中心のスタートだったが、早くも大資本、なんと横浜ゴム(プロギア)から依頼が入る。 プロギアがスポーツ事業分野に本格参入したのは83年。同年には、既存品とは異なるヘッドスピード別設計ボールを発表。その第2弾として、同じくヘッドスピード別に設計したクラブ(アイアン)、それが竹林に出されたリクエストだった。 「ゴルファー別にクラブを作る、それは私たちがずっとやってきたことだったので、やっと自分たちと同じ考えをもつ会社が現れた、そんな思いを抱いたものです」 手掛けたモデルは『500シリーズ』(3機種)。「三兄弟」とアピールされた中空アイアンだった。 「ヘッドスピード別に、理想的な重心距離、重心深度、重心高に設計したクラブです。重心距離や重心深度に関して言えば、ヘッドの慣性モーメントで考えればもっと分かりやすかったのでしょうが、当時はその概念がなく重心距離、重心深度、それぞれの視点から設計。ただし全番手が中空というわけではなく、例えばハイヘッドスピーダー用はロングアイアンだけ、ローヘッドスピーダー用はミドルアイアンまでと、ヘッドスピードに応じた中空構造を採用しました」。 発想も技術も、当時は群を抜いていた。『500シリーズ』には、新機軸から当時のタブーまで、その数々が詰まっており、クラブ作りの大きな分岐点となったモデルになった。

SCIENCE THE FOURTEEN!
ゴルフクラブの選び方
2019/06/14

ウェッジの命 ソールの秘密

『フォーティーンの竹内佑太です。 このコーナーでは私がフォーティーンに入社して学んだ まさに知れば納得のゴルフクラブ学をご紹介していきます。』

HI-540 FORGED product column
ゴルフクラブの選び方
2019/06/14

HI-540 FORGED product column

かつてアイアンの中空化という画期的構造を生み出したフォーティーン。ヘッドの内部に空間を作り出すことで、ヘッドを大型化することができ、それまでに成し得なかった深重心化を実現することができた。主にロングアイアンでその構造的な相性を発揮され、中空大型ヘッドとマッチングのいいシャフト長さ(従来よりも長尺化)で、圧倒的な打ちやすさを生み出し、また中空構造によるフェースの薄肉化と深重心化の恩恵として発揮される反発力の高さにより、飛距離性能に優位性を誇った。この構造的メリットを現代ゴルフに必要とされる超実戦力として形にしたのが、新作「HI-540フォージド」なのである。

進化のイデア 第三章
進化のイデア
2019/06/14

進化のイデア 第三章

竹林がクラブを研究すること、それは既存の理論を疑うことが全てだったと言える。 「例えばパーシモンの頃は、重心が低いからボールが上がりやすい。こんなことが当然のように語られていたものです。ところが実験してみると明らかに事実に反していた。ティアップして打つドライバーは、低重心ヘッドにすることでボールのバックスピン量が抑えられ、決して上がりやすくなるわけではありません。当時は、誤った解釈ばかりがゴルフクラブの定説とされていました」。 一つの理論があれば、果たしてそれが真実か、まずは疑う。その理論が真か否かを判断するために、竹林はゴルファーの視点でクラブの力学を研究し続けたのだ。 現在のようにクラブ設計がコンピューター化された時代なら、力学的根拠を導き出すことは簡単なことだったかもしれない。数値を入れてシミュレーションしてみれば明確な答えがはじき出される。だが、当時はもっぱらトライ&エラー。試作しては試し、試しては試作の繰り返し。気の遠くなるような作業だったが、むしろそれは竹林にとっては“やり甲斐”でしかなかったのだ

SCIENCE THE FOURTEEN!
SCIENCE THE FOURTEEN!
2019/05/14

知って得するウェッジの バックスピン3大要素

『フォーティーンの竹内佑太です。 このコーナーでは私がフォーティーンに入社して学んだ まさに知れば納得のゴルフクラブ学をご紹介していきます。』

HI-540 FORGED impression
アイアン
2019/05/14

HI-540 FORGED impression

試打解説 冨永浩プロ とみながひろし、1961年2月17日生まれ。1983年から約6年間のアメリカ滞在中の1985年、当時アマチュアとして、全米オープンの予選会を突破して本戦に出場、さらに同年、全米アマチュア選手権にも予選1位通過で出場。その後プロ転向し、カナダツアーや豪州ツアーにも参戦。88年に帰国し、翌89年に国内ツアーデビュー、2011年からPGAシニアツアーに参戦中。キャリアを活かしたゴルフネットワークでの解説は定評だ。 取材協力=嵐山カントリークラブ

進化のイデア 第二章
進化のイデア
2019/05/14

進化のイデア 第二章

[[本質を楽しめる クラブを作るために]] スライス病に竹林が陥ったのは大学1年、秋のことだった。その翌年、大学2年時には早くもゴルフクラブを作る仕事に就こうと決心。その意志は曲がることなく、卒業と同時にクラブメーカーに就職した。 その一方で競技ゴルフはやめなかった。大学ゴルフ部出身でクラブメーカーに就職すると、「プロになれなかったからだろ」と思われがちだが、それは本意ではなかった。竹林には競技ゴルファーとしての意地があったのだ。 「競技ゴルフも嫌いではありませんでしたが、それ以上に自分でチューンナップしたクラブで競技をプレーしてみたかった。クラブによる違いを実戦で感じることに興味が移っていったのです」。 スコアだけを競うのではなく、知らなかった世界にクラブの力で到達できるか。ゴルフというゲームの本質が楽しめるようなクラブを作りたいという思いは、日増しに強くなるばかりだった。

SCIENCE THE FOURTEEN!
ゴルフクラブの選び方
2019/04/14

アイアンのロフトピッチは ウェッジに通用しない

『フォーティーンの竹内佑太です。 このコーナーでは私がフォーティーンに入社して学んだ まさに知れば納得のゴルフクラブ学をご紹介していきます。』

TC-920 FORGED impression
アイアン
2019/04/14

TC-920 FORGED impression

最新型ドライバーでは4500g・㎠を超える大慣性モーメントモデルが当たり前になり、スイング理論そのものが変わりつつある。出来るだけ手先のローテーション、つまりフェースの開閉度をスイング中に抑えて、体の回転速度、パワーをインパクトに集約させることが、ヘッド挙動が鈍感な現代型ドライバーでは最も飛ばすために必要とされるのである。 ただ一つ懸念されていたことがアイアンの打ち応えとのマッチングだ。とくに見た目がシャープで操作性に優れるアスリート系アイアンとの重心性能差は顕著。ここに違和感を覚えるプレーヤーは私をはじめ少なくはないだろう。今回、私が試打を担当した新作「TC-920フォージド」は、ドライバーとアイアンに起きた重心性能差を解消したモデルだという。さすが目の付け所がフォーティーンらしい、アスリートには楽しみのアイアンだと言える。

進化のイデア 第一章
進化のイデア
2019/04/14

進化のイデア 序章

[[芽生えた 不審の心]] なぜ止まっているボールをうまく打てないのか。 プレーを始めたころ、多くのゴルファーが味わう思いを竹林隆光もまた感じた。高校まで野球に打ち込み、大学入学と同時に好きで選んだゴルフ部。もちろん竹林も練習に余念はなかった。だが一方で、「道具の影響力のなんと強い競技だろう」という思いを即座に抱くようになった。 今でこそクラブの種類はじつに豊富だが、竹林がゴルフを始めた60年代後半はパーシモンウッドに軟鉄鍛造アイアン全盛。もちろんクラブメーカーも複数ありはしたが、それらに大きな違いはさほどなかった。今あるクラブでうまく打てるようになる、それが当たり前の時代だった。ところが竹林はクラブそのものを疑う心が芽生え、次第に高まっていったのだ。