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HI-540 FORGED impression
試打解説 冨永浩プロ とみながひろし、1961年2月17日生まれ。1983年から約6年間のアメリカ滞在中の1985年、当時アマチュアとして、全米オープンの予選会を突破して本戦に出場、さらに同年、全米アマチュア選手権にも予選1位通過で出場。その後プロ転向し、カナダツアーや豪州ツアーにも参戦。88年に帰国し、翌89年に国内ツアーデビュー、2011年からPGAシニアツアーに参戦中。キャリアを活かしたゴルフネットワークでの解説は定評だ。 取材協力=嵐山カントリークラブ
進化のイデア 第二章
[[本質を楽しめる クラブを作るために]] スライス病に竹林が陥ったのは大学1年、秋のことだった。その翌年、大学2年時には早くもゴルフクラブを作る仕事に就こうと決心。その意志は曲がることなく、卒業と同時にクラブメーカーに就職した。 その一方で競技ゴルフはやめなかった。大学ゴルフ部出身でクラブメーカーに就職すると、「プロになれなかったからだろ」と思われがちだが、それは本意ではなかった。竹林には競技ゴルファーとしての意地があったのだ。 「競技ゴルフも嫌いではありませんでしたが、それ以上に自分でチューンナップしたクラブで競技をプレーしてみたかった。クラブによる違いを実戦で感じることに興味が移っていったのです」。 スコアだけを競うのではなく、知らなかった世界にクラブの力で到達できるか。ゴルフというゲームの本質が楽しめるようなクラブを作りたいという思いは、日増しに強くなるばかりだった。
アイアンのロフトピッチは ウェッジに通用しない
『フォーティーンの竹内佑太です。 このコーナーでは私がフォーティーンに入社して学んだ まさに知れば納得のゴルフクラブ学をご紹介していきます。』
TC-920 FORGED impression
最新型ドライバーでは4500g・㎠を超える大慣性モーメントモデルが当たり前になり、スイング理論そのものが変わりつつある。出来るだけ手先のローテーション、つまりフェースの開閉度をスイング中に抑えて、体の回転速度、パワーをインパクトに集約させることが、ヘッド挙動が鈍感な現代型ドライバーでは最も飛ばすために必要とされるのである。 ただ一つ懸念されていたことがアイアンの打ち応えとのマッチングだ。とくに見た目がシャープで操作性に優れるアスリート系アイアンとの重心性能差は顕著。ここに違和感を覚えるプレーヤーは私をはじめ少なくはないだろう。今回、私が試打を担当した新作「TC-920フォージド」は、ドライバーとアイアンに起きた重心性能差を解消したモデルだという。さすが目の付け所がフォーティーンらしい、アスリートには楽しみのアイアンだと言える。
進化のイデア 序章
[[芽生えた 不審の心]] なぜ止まっているボールをうまく打てないのか。 プレーを始めたころ、多くのゴルファーが味わう思いを竹林隆光もまた感じた。高校まで野球に打ち込み、大学入学と同時に好きで選んだゴルフ部。もちろん竹林も練習に余念はなかった。だが一方で、「道具の影響力のなんと強い競技だろう」という思いを即座に抱くようになった。 今でこそクラブの種類はじつに豊富だが、竹林がゴルフを始めた60年代後半はパーシモンウッドに軟鉄鍛造アイアン全盛。もちろんクラブメーカーも複数ありはしたが、それらに大きな違いはさほどなかった。今あるクラブでうまく打てるようになる、それが当たり前の時代だった。ところが竹林はクラブそのものを疑う心が芽生え、次第に高まっていったのだ。