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進化のイデア 第七章
進化のイデア
2019/10/14

進化のイデア 第七章

[[アイアンの懐は 設計が決める]] ステンレス鋳造アイアンが誕生、浸透してなお、古来ある軟鉄鍛造アイアンの根強い人気は変わらない。帯刀文化を有した日本ならではかもしれないが、確かに鍛冶(かじ)職人がたたき上げた逸品には、あたかも魂が込められているかのような印象さえ抱かぬでもないのだ。 そんな軟鉄鍛造アイアンに、竹林がメスを入れたのは80年代半ばのことだった。その名は『SX‐25』、ヤマハ発のモデルだった。後にそれはスコット・シンプソンの手によって全米オープン制覇の偉業を成し遂げる(87年)。日本製クラブが初めてメジャーVを達成した瞬間だった。が、竹林は特別な何かを施したわけではない。少なくとも一見しただけでは、従来の軟鉄鍛造とどこが異なるか疑問を抱くかもしれない。竹林が変えたのは、根本だった。 「ご存じのように鍛造の歴史は長く、熟練した職人の腕が問われる分野。軟鉄鍛造アイアンもしかりで、経験を積んだベテラン職人が、その勘どころで精度高く仕上げるものでした」。 一方、ステンレス鋳造アイアンで竹林が取った方法は、まず図面を起こし、ネック回りの寸法や重心高さ、重心距離などを綿密に管理。設計値どおりに仕上げるというものだった。明らかに根本が異なる。何よりも竹林には頑とした思いがあった。 「気持いい懐は設計段階で決まる」。 アイアンの構えやすさを大きく左右するネックからフェースにかけてのライン、いわゆる懐。いかにも曖昧(あいまい)な言い方だが、それを解明し、数値で管理することが、いいアイアンには欠かせないと考えていた。 「鍛造メーカーの努力もありました。その頃は以前に比べ、格段に精密に作れるような技術を備えていた。その技術があったからこそ、『SX‐25』も狙いどおりに完成させられることができたのです」。

DJ-4 テクノロジーコラム
ウェッジ
2019/09/14

DJ-4 テクノロジーコラム

「DJ-4」のヘッドを手にとれば、スコアラインが光っていることがわかる。フォーティーンのウェッジはとにかくショートレンジ(〜約40ヤード)でのスピンが圧倒的に効くが、それはひとえにエッジの効いた台形溝がボールのカバー面に食いついている高度な製品精度が成し得る技術だ。「DJ-4」の溝はエッジを効かせた台形溝となっている。さらにエッジを効かせた溝は他社モデルでも存在するが、それはルール上、自ずとV形になり断面積を確保できない。つまり「DJ-4」は、溝の本来の役目でもあるショットの安定性(水はけなど)を発揮させるため、溝の断面積を最大に確保したルールギリギリの総合力を追求しているのである。 また同時にフェースの平面精度を究極まで高めることを形にしていることだ。「DJ-4」には鏡面にも近いレベルの平面精度が施されている。平面になればフェース面全域での溝効果の発揮が約束されること、そして何より溝のエッジ精度が高まることで、ボールへの食いつきを強められるのである。様々なライやコンディションでも安定したハイスピンが発揮できるフォーティーンのウェッジのパフォーマンスの礎となる、緻密な設計が実現する超性能なのだ。

進化のイデア 第六章
進化のイデア
2019/09/14

進化のイデア 第六章

[[トゥシャフトは サードゴロ]] フォーティーン本社、今はショールームとなった部屋には、かつてパーシモンが所狭しと並んでいた。そして片隅には妙なクラブもいくつか立てかけられていた。例えばウッドのクラウンの中央部分が円柱状にくりぬかれたもの(クラウンからソールまで円が貫通した状態)。あるいは、あらぬところからシャフトが飛び出しているクラブもある。「妙な」という表現、決して的外れではない。その数々が、既存を疑わない竹林のスタンスの表れ、実験で得る糧だった。 「いろいろやりましたね。例えばアイアンのヘッドを切断してトゥ側に付けたり、あるいはネックを切って位置をずらして溶接したり。前者は重心距離、後者はグースの違いでどんな結果になるか、試しました。今はロストワックスで簡単に作れますが、当時はとても大変な作業でした」。 またウッドでは重心距離ゼロ、つまりヘッドの重心がシャフトの真下にくるようなクラブを試したこともあったと言う。さて、右に出るか、左に出るか。結果はいつも神のみが知る。 「そもそもスイング中にフェースの向きがまったくわかりませんでした。しかも慣性モーメントが小さくなるからボールは右にも左にも出るし、距離はまったく出ない。『クラブってよくできているな』、このテストで実感したのがこれでした(笑)」 続けてトゥ側にシャフトを付けたヘッドも作ってみたが……。 「マイナスの重心距離ですね。これは野球で言えばサードゴロみたいなボールばかりでした」。

SCIENCE THE FOURTEEN!
SCIENCE THE FOURTEEN!
2019/08/14

飛びのポテンシャルを 最も持つドライバー

フォーティーンの竹内佑太です。 このコーナーでは私がフォーティーンに入社して学んだ まさに知れば納得のゴルフクラブ学をご紹介していきます。

SCIENCE THE FOURTEEN!
ウェッジ
2019/08/14

選び方をよりシンプルにする 最新型ローロフトウェッジ

フォーティーンの竹内佑太です。 このコーナーでは私がフォーティーンに入社して学んだ まさに知れば納得のゴルフクラブ学をご紹介していきます。

DJ-4 インプレッション
ウェッジ
2019/08/14

DJ-4 インプレッション

レッスン担当 吉田洋一郎 よしだひろいちろう、プロコーチ・スイング研究家。2019年レッスン・オブ・ザ・イヤー受賞。アメリカTop50など80名もの著名インストラクターに直接メソッドを学び、レッスン資格20以上を取得するゴルフスイング研究家。

進化のイデア 第五章
進化のイデア
2019/08/14

進化のイデア 第五章

[[十年来のファンを 無視してでも]] フォーティーンとしてプロギア『500シリーズ』のOEM設計を成功に収めると、竹林に対する周囲の評価も次第に変わってきた。 「数字でクラブの何がわかる?」「いいクラブはいい職人が作るものだ」 設計値や理論が前面に押し出される昨今、にわかには信じ難いが、当時はそれがあたりまえ。新しい風を吹き込もうとする竹林の耳に聞こえてくるのも、そんな非難の声ばかりだった。だから、『500シリーズ』の成功にまゆをひそめた向きもいたことだろう。何よりも伝統を重んじる競技、少なくとも手放しで大歓迎という空気ではなかった。 が、しばらくすると今度は海外ブランド、パワービルトから依頼が届く。パワービルトと言えば、かつて青木功やジャンボ尾崎も愛用したほどのゴルファーブランド。日本では不動産や観光、運輸事業などを展開する一大企業、国際興業が取り扱い(当時)、依頼も同社からのものだった。ただし、『サイテーション』で一世を風靡した頃に比べ、その勢いは減速し始めていた。 「設計依頼の話があり、担当者からいきなり、取引するにあたってまず重役に会ってほしいと。面接ではないですが、雰囲気としてはそんな感じで、“大学入学の直前、父が買ってくれた最初のクラブがパワービルトでした”、そんな受け答えをしたのを覚えています(笑)」 “面接”はすんなりと済んだものの、設計依頼の内容はのめるものではなかった。 「十年来のパワービルトファンがいる。そうしたファンを裏切らないモデルを作ってほしい」 すなわち、従来の伝統は崩さないでくれ。 「伝統にとらわれたクラブ作りこそファンが離れた要因、そう思っていたから反対しました。あえて『Power Bilt』の刻印を外すことを提案しました」 完成したその名は『モメンタム』アイアン。確かにあらためて確認すると「Power Bilt」の刻印はそこになかった。

SCIENCE  THE  FOURTEEN!
SCIENCE THE FOURTEEN!
2019/07/14

ここでしか言わない スピンショットの真実

『フォーティーンの竹内佑太です。 このコーナーでは私がフォーティーンに入社して学んだ まさに知れば納得のゴルフクラブ学をご紹介していきます。』

DJ-4 発売直前情報
ウェッジ
2019/07/14

DJ-4 発売直前情報

2001年、フォーティーンは初代「MT-28」で“激スピン”で世の中に衝撃を与えた。『ウェッジのフォーティーン』、今に至る地位を築いた伝説のモデルだった。誰もがプロのようなハイスピンショットが打て、その1打に胸を躍らせたものだ。「MT-28」の爆発的なヒットを皮切りに単品ウェッジ市場が活性化。ライバルたちが同様に角溝を採用し、こぞってスピン性能を後追いしたものだ。しかし、もうその瞬間、フォーティーンは全く別世界のウェッジを創造しようと奮闘していた。カタチになったのは2006年、「MT-28 J.SPEC」である。 「MT-28 J.SPEC」はバックフェースのくぼみが特徴的。ヘッド中心の肉厚部を軽量化して、ソールやブレードなどの周辺部に効果的に重量配置することで、ヘッドの安定性、つまりはやさしさや打ちやすさを高めた画期的モデルだ。しかし、このウェッジを発売するにあたって社内では懸念材料があったことを、創業者の竹林隆光さんに取材を通して伺ったことがある。 「今の段階(2006年当時)では、まだコンベンショナルなツアーモデルが市場そのものを構築しています。つまり単品ウェッジ市場そのものがまだまだ成熟段階な中、フォーティーンがいくら画期的なモデルを発売しようと、ゴルファーが目を向いてくれるのか、あえてリスクを背負う必要があるのか、そんな懸念がありました。しかし、『MT-28 J.SPEC』の発売だけは絶対に実現させたかった。なぜなら、このウェッジがフォーティーンの意思そのものだったからです」(竹林氏)。 「MT-28 J.SPEC」は見事にヒット。シンプルにやさしくアプローチをこなしたいゴルファーのためのスタンダードモデルとなったのである。

進化のイデア 第四章
進化のイデア
2019/07/14

進化のイデア 第四章

[[同じ考えを持った メーカーが出現]] 81年、晴れて竹林は独立、群馬にゴルフクラブ工房フォーティーン(当初は藤岡、その後現在の高崎へ)を設立する。主に設計委託中心のスタートだったが、早くも大資本、なんと横浜ゴム(プロギア)から依頼が入る。 プロギアがスポーツ事業分野に本格参入したのは83年。同年には、既存品とは異なるヘッドスピード別設計ボールを発表。その第2弾として、同じくヘッドスピード別に設計したクラブ(アイアン)、それが竹林に出されたリクエストだった。 「ゴルファー別にクラブを作る、それは私たちがずっとやってきたことだったので、やっと自分たちと同じ考えをもつ会社が現れた、そんな思いを抱いたものです」 手掛けたモデルは『500シリーズ』(3機種)。「三兄弟」とアピールされた中空アイアンだった。 「ヘッドスピード別に、理想的な重心距離、重心深度、重心高に設計したクラブです。重心距離や重心深度に関して言えば、ヘッドの慣性モーメントで考えればもっと分かりやすかったのでしょうが、当時はその概念がなく重心距離、重心深度、それぞれの視点から設計。ただし全番手が中空というわけではなく、例えばハイヘッドスピーダー用はロングアイアンだけ、ローヘッドスピーダー用はミドルアイアンまでと、ヘッドスピードに応じた中空構造を採用しました」。 発想も技術も、当時は群を抜いていた。『500シリーズ』には、新機軸から当時のタブーまで、その数々が詰まっており、クラブ作りの大きな分岐点となったモデルになった。

SCIENCE THE FOURTEEN!
ゴルフクラブの選び方
2019/06/14

ウェッジの命 ソールの秘密

『フォーティーンの竹内佑太です。 このコーナーでは私がフォーティーンに入社して学んだ まさに知れば納得のゴルフクラブ学をご紹介していきます。』

HI-540 FORGED product column
ゴルフクラブの選び方
2019/06/14

HI-540 FORGED product column

かつてアイアンの中空化という画期的構造を生み出したフォーティーン。ヘッドの内部に空間を作り出すことで、ヘッドを大型化することができ、それまでに成し得なかった深重心化を実現することができた。主にロングアイアンでその構造的な相性を発揮され、中空大型ヘッドとマッチングのいいシャフト長さ(従来よりも長尺化)で、圧倒的な打ちやすさを生み出し、また中空構造によるフェースの薄肉化と深重心化の恩恵として発揮される反発力の高さにより、飛距離性能に優位性を誇った。この構造的メリットを現代ゴルフに必要とされる超実戦力として形にしたのが、新作「HI-540フォージド」なのである。

進化のイデア 第三章
進化のイデア
2019/06/14

進化のイデア 第三章

竹林がクラブを研究すること、それは既存の理論を疑うことが全てだったと言える。 「例えばパーシモンの頃は、重心が低いからボールが上がりやすい。こんなことが当然のように語られていたものです。ところが実験してみると明らかに事実に反していた。ティアップして打つドライバーは、低重心ヘッドにすることでボールのバックスピン量が抑えられ、決して上がりやすくなるわけではありません。当時は、誤った解釈ばかりがゴルフクラブの定説とされていました」。 一つの理論があれば、果たしてそれが真実か、まずは疑う。その理論が真か否かを判断するために、竹林はゴルファーの視点でクラブの力学を研究し続けたのだ。 現在のようにクラブ設計がコンピューター化された時代なら、力学的根拠を導き出すことは簡単なことだったかもしれない。数値を入れてシミュレーションしてみれば明確な答えがはじき出される。だが、当時はもっぱらトライ&エラー。試作しては試し、試しては試作の繰り返し。気の遠くなるような作業だったが、むしろそれは竹林にとっては“やり甲斐”でしかなかったのだ

SCIENCE THE FOURTEEN!
SCIENCE THE FOURTEEN!
2019/05/14

知って得するウェッジの バックスピン3大要素

『フォーティーンの竹内佑太です。 このコーナーでは私がフォーティーンに入社して学んだ まさに知れば納得のゴルフクラブ学をご紹介していきます。』